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リアリスト・サイバーゲーム wolf woman dream in "oroti"

作者:HP-5000氏
備考1:悪役同士(女怪人/女幹部)
備考2:ウルフウーマン視点から。欲望のままに振る舞う彼女だが…

1 ∞ ∞ ∞
永遠の美貌。
それを手に入れる為ならば、私はどんな犠牲も払おう。
綺麗だと? ふんっ、戯言だな。
誉め言葉など必要ない。
私が望むのは永遠に続く美貌、それだけだ……。
ふふっ、今日も満月の夜に悲鳴が鳴り響く。
ああ、ゾクゾクする。さあ、お前も私の美貌を保つ糧となるがいい……。

リアリスト・サイバーゲーム wolf woman dream in "oroti"

血の匂いがする。
爪に染み付いたこの匂いが、私を高い場所に運んでくれる。
満月の夜、この身に起こる高揚感。この心を支配する獣の本能。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
月の光を浴びた美しい私の姿を見て、ゴミ共が上げる悲鳴が心地良く感じる。
「ふふっ」
その悲鳴を聞いて、命を奪い去るこの瞬間。赤い光を浴びるこの瞬間。
ふふっ、ふふふっ、この快感が堪らない。
堪らない……。
「誰だ?」
足音が聞えて、私は仰向け寝ていた体を起こす。
「血を見るのが好きね、楽しい?」
漆黒の翼。それは鴉の持つ羽に似て、その妖艶さを際立たせる。
胸だけを隠す黒皮の布は、その大きな胸をしっかりとは包んでいない。
私と同じミニスカートだが、太腿から下は黒のレザーブーツ。
嫌な匂いだ、鳥の匂いなど嗅ぎたくもない。
「そんなに怖い顔しないでよ、同じ幹部でしょ?」
ウェーブした前髪、後束ねた一筋の髪が揺れ、私の心を苛立たせる。
四幹部の一人、バードウーマン。
「ふんっ、気安く話し掛けるな」
「それはないでしょう? もう少し仲良くして欲しいわね」
私は爪の血を振り払いながら、声を掛けてきたバードウーマンの隣に並ぶ。
そして、私が横を通り過ぎた時、その声は聞こえる。
「ボスから指令、"本部に戻れ"だそうよ」
「通信では駄目なのか?」
振り向いた私は、一瞬驚いた顔をしてしまった。
もっと早く言うべき事柄だ。少し間を置くのがこの女の悪い癖だ。
「クスクスッ、面白い顔ね」
「貴様、引き裂かれたいのか?」
何時も私の揚げ足を取ろうと目論む。まったく、いい気分が台無しだ。
「確かに伝え…」
「ううっ…」
バードウーマンが最初に反応して声を止める。
一人生きていたか……。
肩から血を流した男が、助けを求めるようにバードウーマンを見ていた。
「助けてくれ、頼む」
「可哀想に、随分と苦しそうね?」
馬鹿な奴だ、その女の姿を良く見ろ。
哀れみの視線を送り、優しく微笑んだその瞬間、お前は死ぬと言うのに……。
ゴキンッ……。
「がっ…」
男が声を詰まらせ、地面に体を落とすのが見える。
「クスクスッ…楽になって良かったわね…」
ボールを持つように空中を仰いでいたバードウーマンの両手が、物足りなそうに何度も手
を握り直す。
優しい微笑み。冷たい視線。骨の軋む音が、この女の何よりのご馳走。
バサッ……バサッ……。
ゆっくりと浸るように両手を下ろすと、その漆黒の右翼と左翼が、順番に大きく広がる。
その翼は私の好きな月の光を遮り、バードウーマンは暗い夜空に消えた。

2 ∞ ∞ ∞
「ウルフウーマン入りま……」
そこで私は驚く、久しく見ない顔が瞳に映ったからだ。
「くくくっ、何だその驚いた顔は?」
「お前も呼ばれていたのか」
無数の白いカーテンが天井から揺らめいている。その男は目の前に立っていた。
黒い髪。青い瞳。血の通わない冷たい笑い。
「オロチ…お前が姿を現したと言う事は、裏切り者が出たのか?」
「さあな……くくくっ」
何が可笑しいのだ? 良く分からない奴だ。そう、私は何時も感じる。
デスサイドキャッスルに二人で入ってもう五年が経つ。
私は僅か数ヶ月で、この肉体と今の地位を手にした。
オロチもまた、四幹部に匹敵する地位を持っている。その仕事は裏切り者の処刑。
ガチャンッ……。
私がオロチの隣に並ぶと、一筋のスポットライトが辺りを照らし出す。
そして、目の前の大きなカーテンにその影は映し出される。
「二人とも来たか」
「はっ、月明光のウルフ。此処に」
「同じく、血溜まりのオロチ」
低いダミー掛かった声が部屋に響き渡り、私達は片膝を付いて胸に左手を添える。
このカーテンに映る影こそが、我らがデスサイドキャッスルのボス。
その正体は誰も知らず、分かっているのは男だと言う事だけ。
だが、この喉を裂かれるような威圧感は、正しくボスに相応しいと言えるだろう。
「う……」
唯一つ……。
「麗しき俺のウルフウーマン! 今夜俺と食…」
「お断りします」
この空気をぶち壊す性格さえ、何とかなればな……。
世界制服を企む一組織のボスが、部下の女を口説いてどうする? 
まったく何時もの事ながら、オロチよりも性格が分からない人だ。
後にも先にも、こんな組織のトップに会う事は無い。私は確信する。
「残念…二人に来て貰ったのは他でもない、新たに現れた対抗組織の事だ」
「ダイモバスターズですね?」
"ダイモバスターズ"
最近現れた、警察や軍隊崩れが寄り集まった組織の名称。
「第六支部がほぼ壊滅状態になった」
「まさか、何かの間違いでしょう? あの場所は有機生命体を生み出す場所」
「そう簡単に落ちるとは思えないな」
オロチが私の言葉に続く。一つの倉庫に有機生命体が数百匹、並の兵器で太刀打ちなど
出来る筈もない。
「バックにどこぞの政府が付いたらしい」
「政府が……?」
私とオロチの視線が強くなる。
"手伝う側"を名乗るように、私達はテロリストなどの依頼を受ける事が多い。
その範囲は幅広く、敵対する政府の基地などの殲滅は容易にする。
当然、私達を敵対視する政府が、対抗組織に加担するのは分かるが……。
「自分の手を汚さずに民間に支援。ふんっ、正義が聞いて呆れる」
「危なくなったら関係ないと言い張るのか? くくくっ、面白い。ふはははっ!」
オロチが急に高笑いを始める。ボスの前で失礼だとは思わないのか?
だが、本当に楽しそうに笑う奴だ。
私なら楽しそうな顔をするのは、あの瞬間だけで十分だと言うのに。
まったく、本当に何がそんなに可笑しいのだ?
――弟よ。

3 ∞ ∞ ∞
「うぉぉぉ! この化け物め!」
激しい壁を抉る音、轟音が聞える。
その音は倉庫の壁に反射して、私の体を包み込む。
「ギャァァァァァァァ!」
目の前のダームワーム共が、銃弾の雨を浴びて粉々に崩れ去って行く。
「ハァ、ハァ、もうお前達だけだぞ! 降服しろ!」
「降服だと? お前如きにか?」
ジャキッ……。
男が両手に抱えたカトリング砲を向ける。その大きさは明らかに異常だ。
並の人間が扱えば、自分が吹き飛ぶだろう。
「女だからと言って手加減はしないぞ!」
戯言だな。私を女と見る時点で、お前は死んだも同然だ。。
男が引き金を引く、再び轟音が辺りを支配する。
「ふふっ、そんな弾など全て止まって見える」
「なっ」
真上に現れた私の声に、男が驚いて顔を上げる。
ザシュ……同時に、私の爪が男の背中を切り裂き、腕からその感触が伝わる。
男はゆっくり倒れると、同時に轟音も消え、荒い息使いが聞える。
「その今にも消えそうな息使い、堪らないな」
「何…だ?」
私が右手の変身を解くと、男が不思議そうな視線を送ってくる。
本来なら男の喉を切り裂くのだが、今日は体が熱い……。
「な、何してる?」
「分からないか? お前と楽しもうと言うのだ」
私達半獣の力を体に宿す者達は皆、この時期がある。
殺戮よりも性を求めてしまう瞬間だ。野性が本能的に求める行為、自制は効かない。
「んっ、んっ、チュク、レロッん、んっ、んっ……」
「うあっ」
動けなくなった男のベルトを外すと、チャックを下ろし、中を弄る。
そして口に咥え込み、何度も舐め、何度も吸い、手で反り返すを繰り返す。
ピチャクチャ、ピチャピチャピチャ。
いやらしい音が倉庫に響く度に、男が硬くなり、口の中で反り立つのが分かる。
シュシュッと男を指先でしごき上げ、舌先で男の先を何度も刺激する。
「も、もう…」
「ふふっ、もうイきそうなのか? 情けない奴だ……いいだろう」
私は男から口を離すと、男の体に馬乗りになり、背を向けて頭を下ろす。
そして、そのまま両手に持った大きな胸で、男を挟み込む。
「うぁ、く、くぅ!」
挟まれた瞬間、男がビクンッと動いたのが分かる。そのまま胸を寄せると、先の方を舌で
舐めながら、男に豊満な胸をぶつけてやる。
グニグニと胸を交互に上下させ、男の先がピクピク動くのが、舌先から感じ取れる。
「んっ!」
ドックン……熱いものが舌先から伝い、口の中に広がる。
私は口の中に広がったその味を、舌で転がしながら味わうように飲み込む。
「ふふっ、随分と溜まっていたようだな?」
私は男に体を向けると、未だに余力を残す男の先を手で摘み、私の中に導く。
「はぁん!」
ズブリと中にはまる感触がして、私は悦んで声を上げると、そのまま腰を動かす。
グチュグチュと私の蜜が男を包み込み、私は腰を前後に揺らし、時には左右に傾け、中を
掻き回される感触を楽しむ。
「も、もう駄目だ!」
「あんっ!」
パンパンパンパンパンパンパンパンッ!
男が腰を突き上げる。その快楽に、私は首を何度も左右に振り、長い髪が空中で円を描く。
同時に私の右腕が、メキメキと音を立ててその形を変えて行く。
「出るっっっ!」
――ザシュン。
ドクドクと私の中に白い液が流れ込み、それは腿を伝って地面に落ちる。
地面に落ちた白い液に、赤い液が混ざり、辺りが混沌とした静寂に包まれた……。

4 ∞ ∞ ∞
「くくくっ、お楽しみだったかウルフウーマン?」
「お前、終わるまで隠れていたな?」
私は倉庫の入り口に立つオロチに言う。
隠れていたと思うのは、あまりにも入ってくるタイミングが良過ぎるからだ。
「情報は聞きだしたのか?」
「ああ、そう言えばそうだったな」
"忘れていた"と私は動かなくなった男を見下ろして言う。
"くくくっ"とオロチは右手の綺麗な指先で、顔の右半分を覆いながら笑う。
漆黒の仮面。その仮面はオロチの鼻と目を完全に覆い、綺麗な顔が全て見えない。
更には牙のように飛び出した仮面が、オロチの左頬を完全に隠している。
「今は二人だけだぞ? 仮面は外せないのか?」
「無理だ。そのスカートと同じように、これは規定だからな」
秘密の処刑人。オロチの正体は誰にも知られてはならない、普段戦闘に出る時は、その顔
が知られないように仮面を付ける。嫌な事この上ない、更に……。
「AL、次のダーゲットは何処だ?」
「あいつが向かった、これでダイモバスターズの幹部は全滅だ」
名前まで変えなくてはならないのだ。
オロチの正体を知るのは、私を含めて三人だけ。
処刑人などと言う制度が知られれば、組織の志気が下がると言うボスの配慮だが……。
「オロチ」
「規定違反だぞウルフウーマン?」
そんな事は知るものか、今は二人だけだぞ? そう呼んで何が悪い?
「……姉さん」
そうだ。それでいい、その左頬に私が触れた瞬間だけ、お前は私の弟に戻る。
そして、私も……。
「姉さん」
お前の右手が私の頬に触れる。冷たい声が甘くなり、私の耳の中に響き渡る。
繊細な指先、五つの暖かい感触。あの時意外で私が微笑み、お前の姉に戻る瞬間。
この美貌と共にお前は永遠だ。お前の指先が、私の全てを潤してくれる。
オロチ……私の可愛い弟……。
「ウルフウーマン」
オロチが急に声を戻す。私もそれに反応して表情を元に戻し、入り口を見る。
「やっほー! 二人とも、元気ですかー!」
「その軽い雰囲気、どうにかならんのか?」
入り口の前でピョンピョン飛び跳ねている小娘が見える。
キャットレディ。これが本当に私と同じ四人の幹部に数えられるとは、とても思えない。
あまりにも行動が幼過ぎる。まあ、確かに内に秘めた残虐性は認めるがな……。
「情報は?」
「訊けなかったが?」
ギョとした顔でキャットレディが私を見る。この様子だと……。
「お前の方も同じか?」
「ALも? うぇぇぇん! どうしよう! ボスに怒られるよー!」
急に泣き出すな、お前の声は耳に響くと痛いのだ。
"敵の戦闘能力が異常だ、秘密を聞きだせ"
そうボスは私達に言った。本来この任務は、私とオロチの二人だけで行う筈だったのだ。
「どうしよう! どうしよう! どうしよう! どうしよー!」
だったの……。
「お仕置きされちゃう! お仕置きされちゃう! お仕置きされちゃうー!」
だ…が…。
「二人のせいだからねー! 聞き出す前に殺しちゃうなんて最低だよー! バカー!」
「ええいっ! 煩いぞ黙れ! さもなくばお前の体をバラバラにして、二度と見れない容
姿に変えてやる!」
氷の静寂……。この私が、こんな小娘の愚痴に反応して叫んでしまうとは……。
オロチは楽しそうな顔で私を見ているが、私の経験からすると……。
この後、キャットレディは……。
「ううっ…うっ、うわぁぁぁぁぁん! 私は悪く無いのに怒ったー!」
私の耳を裂くようなキャットレディの泣き声、同時に聞える轟音。
倉庫の屋根が吹き飛び、更には辺りの機材が全て木っ端微塵に……。
オロチ、頼みがある……始末書はお前が書いてくれ……。

5 ∞ ∞ ∞
「申し訳ありませんボス」
「情報を聞き出せなかった上に、敵の貴重な情報源を全て破壊しただと?」
私は一人、ボスの前で何時ものようにポーズを取り、深く頭を下げている。
先の戦いで敵の殲滅は果たしたものの、キャットレディの馬鹿者のおかげで、作戦の指揮
官だった私に、全ての責任が振ってきたのだ。
「ウルフウーマン……」
「は、はい……」
部屋の中に殺気が満ち溢れる。私が声に詰まるのは珍しい事だ。
それだけボスの威圧感は凄まじい。考えて見れば、私は今まで失敗を経験した事がない。
カーテンの陰から伝わる緊張感が、私の全身の毛を容赦なくブルブルと震わせる。
更には何時もピンッと立てている耳が、どうやっても垂れてしまう。
「覚悟は…いいな…?」
「ひっ…」
――殺される。
私が始めて、恐怖に小さい悲鳴を上げる。
そして……。
「今日こそ食事してくれ! 麗しき俺のウルフウーマン!」
「………………」
もう何も言うまい……。
私は何時もの表情に戻ると、垂れた耳も元に戻り、無言でボスから背を向ける。
「あの時期だ」
「っ……」
ボスが静に言うと、私は入り口の前でビクッと体を震わせ、ゆっくり振り向く。
"あの時期"
嫌な言葉だ。
今の地位に立つ前にも、私はこの言葉を聞いた。
それは、ボスが言葉を発すると同時に、発動される戦いの合図。
そう、戦いの合図だ……この私の美貌を奪うかも知れない戦いの……。
この美貌、奴らなどに渡しはしない、絶対に……絶対に……。
∞ ∞ ∞
ワァァァァァァァ……。
大勢の人の声が聞こえてくる。
周りに見えるのは、喊声を上げる観客達だ。それは、私にとって悪魔にしか見えない。
私の足元には、黒と白のまるでチェス台のようなリングが広がっている。
「くくくっ……」
私のパートナーが隣で嬉しそうに笑っている。戦いが大好きだから、それは分かる。
だが、私は不安しかない。何故ならこの戦いは……。
"四幹部入れ替えトーナメント"
それは、ボスが不意に放つ一言で行われる。
四人の幹部を含め、実力の近い強者が蠢く魔のトーナメント。
私の力も今は封じられている。しかも……。
「気に入らん、何故二人も免除なのだ?」
確かに私とキャットレディは失敗したが、本来なら四人の席が用意される幹部の座。
それが二つになる。闘う回数も多くなる、そこに入れる確立も少なくなる。
このトーナメントで私はオロチと共に勝ち進み、今の地位を手にしたのだ。
「あの時は勝てた、だが……」
「何を怖がるウルフウーマン? 俺を誰だと思っている?」
ビー!
戦闘開始の合図が聞える。
「うぉぉぉぉ! ぶち殺してやる!」
「戦闘開始」
男と女の声が聞こえる。だが、私にそれが誰か確認する余裕はない。
漆黒の仮面に刻まれている、一筋の細長い線。
その隙間から覗くオロチの強い視線が、私の不安を拭い去って行く。
「ふふっ、そうだったな……」
そうだ、負ける筈は無いのだ。
隣に立つのは秘密の処刑人。それは即ち、どんな裏切り者よりも強い男。
ボスの左腕である証、ALの名を持つ男……。
――我らに敵など皆無なのだ。

6 ∞ ∞ ∞
「戦…闘…不…能」
開始数秒、私の拳をまともに腹に受け、女が苦しそうに後ろに倒れこむ。
今回の大会で、幹部に最も近い存在と言われていたらしいが、怪しいものだ。
私達の頭の中に埋め込まれるMチップは、ある程度体を強化してくれる。
どれ程強化出来るかは、本人の鍛え方しだいで大きく変わる。
「くくくっ、弱い、弱過ぎるな……面白くも無い、くくくっ……」
オロチの足元で、男が一人横倒しになっている。その瞳は、まるで光を発しておらず、散々
殴られた筈なのに、表情一つ崩してない。
「ふんっ、こんな弱い男とか……憂鬱だな」
私がオロチに話し掛けると、周りの観客の喊声が大きくなる。
これからショータイムが始まるからだ……。
「洗脳解除」
このトーナメントのシステムは、パートナーに男の奴隷を選ぶ事が義務付けられる。
カチッ……。
「うっ……うぁぁぁ!」
「叫んでいては気分が出ないだろう? 制御しろ」
女が手にしていたスイッチが押され、叫び出した男を見てオロチが言う。
「理解不能」
「私も気分が出ないな」
「超不服」
それは不服だろうな、この女はオロチの事を奴隷だと思っているのだ。
前回と同じパートナーと言う規定だ、文句ならボスに言うのだな。
カチッ……。
「ぐっ! くそがっ!」
男が痛みを制御され、私達に憎しみを込めた視線を送る。
「ふふっ、これから私を抱けると言うのに、何だその顔は?」
"勝利者は相手の奴隷と性行為を持つ"
ハッキリってふざけた内容だが、これもボスの定めた事だ。
唯一つ、公開プレイがボスの趣味でない事を祈るだけだな……。
パンパンパンパンパンッ……。
「ああっ! 凄い! 凄い! この私がもうイッてしまいそうだ! ああっ!」
背中が冷たいな……。次からは柔らかいベットでも用意するべきだ。
男が私の中を何度も行き来する。その度に、観客が喊声を上げる。
突かれる度に私の体が上下に揺さぶられ、胸が何度も踊る。
ズブズブと私の蜜が男に絡み、その度の男の表情が快楽に溺れている。
「ひゃぁぁ! もう駄目! んっ! イク! もうイっちゃう!」
しかし、やはり制されるのは私の性には合わないな。
リードしてはいけないと言う規定もそうだが、感じてもないのに喘ぐなど邪道だ。
上になった方が、自分の思うように出来るのに……詰まらんな。
「はははははっ! 幾ら強がっていても女だな!」
「黙れ」
私の声が冷たく男の耳に届く、激しく振っていた腰の動きが止まる。
それを見て、ゆっくり男の首に両手を翳す。
「くくくっ、手伝ってやろう」
「なっ、止め……」
後から私を覗き込んだオロチの手が、私の胸を鷲掴みにした。
そして、直に私の思考は飛んだ。
「ん…くあぁ! ひゃぁぁぁぁ!」
オロチの手が私の胸を容赦なく揉む、指の間に飛び出した乳首を挟み込み、グリグリと左
右に引張る。
パンパンパンパンパンパンパンパンッ!
私の蜜が一気に溢れる。復活した男が私の中を何度も突く。
「止め…て、オロ、んぁ! ひゃぁぁああ!」
オロチの両手の人差し指と中指の間に、私の乳首が挟まれ、そのまま円を書くように回さ
れる。挟まれた状態で上下に揺さ振られ、タプタプと言う音が、私の中に響いてくる。
胸から感じるその快楽が、男が私を突く感覚と重なる。
「きゃぁぁ! イクッ! イってしま、あう……ひゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
ギュッとオロチに胸を絞り上げられ、私は中に入ってきた熱い感覚と共に、オロチの体に
しがみ付いたまま、達してしまった……。

7 ∞ ∞ ∞
「オロチ……」
「そう怖い顔をするな、あのままでは負けていた」
私はリングから下りた後、オロチを睨みながら細い廊下を歩いていた。
"奴隷を殺せば負け"そんな事は知っている。だからと言って、あれはないだろう?
弟に性行為を手伝って貰うなど、私の人生の中で天地が引っ繰り返っても起こらない。
そう思っていた行為だ。
「途中までは旨く演技していたのだ、後は奴が達するのを待つだけだった」
「くくくっ、その前に絞め殺そうしたのは誰だ?」
今回ばかりは笑っても許さんぞオロチ? あんな行為をもう一度したら……。
「ウルフウーマン? 顔が真っ赤だが?」
「何でもない……」
抜かった……。先程の感覚が脳にフラッシュバックした。
私はオロチから顔を背けながら、早歩きで移動する。
ドンッ!
「きゃっ!」
横を向いたまま歩けば、そうなるのは当然だが、驚いたのはそれだけではない。
「大丈夫かウルフウーマン?」
倒れそうになったのは、目の前で悲鳴を上げた女ではなく、私だったからだ。
背中にオロチの大きな腕を感じる。支えられたと気が付いた時には、その顔が見える。
細長い眼鏡、茶色い長髪は、肩の辺りで止まっている。
手にはファイルを持ち、白衣が良く似合う女だ。
「ドクター、申し訳ありません」
「私は大丈夫よ。物の弾みって怖いわね、貴女の方が倒れるなんて……」
呆然としていた私に、ドクターが笑顔を送ってくる。
全てのMチップのデータ処理、並びに有機生命体の管理を任される女。
オロチの正体を知る最後の一人だ。
「あら? 顔が赤いわね? 熱でもあるの?」
「違います」
あっさりと否定すると、私はドクターの横を通り過ぎる。
だが、それが絶対に不可能だと言う事も分かっている。
「駄目、今直ぐに医務室にいらっしゃい」
私の体の隅々まで知っているのは、恐らくこの人だけだろう。
ウルフの体を創ってくれたのはこの人だ、私とオロチにとっては母親同然の存在。
逆らう事など出来る筈もなく……。
「ドクター、お手柔らかに……んぁ!」
うつ伏せに寝かされた私の背中に、ドクターの容赦ない指圧が襲う。
確かに、疲れなど吹っ飛ぶのだが……。
「ドクター! 強過ぎ、くぁ!」
「大丈夫よ。力も戻したし、この程度なら……ふふふっ……」
今日は機嫌が悪いらしい……このままでは死んでしまう……。
幾ら体を半獣化しているとは言え、ドクターは体の弱いツボを全部知っている。
そこを責められたら終わりだ……。
グシャ……。何か今……潰れる…音が…。
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「あら? 強過ぎたかしら……」
ドクター、一つ質問がある……実はドクターのMチップは特別製ではないのか?
戦闘以外で私が女らしい悲鳴を上げるなど……嫌、戦闘でも考えられない……。
「熱は無いようね。戦闘に支障はないわ」
「ありがとうございます」
恐ろしい人だ。命が在って本当に良かった、何が潰れたかは知らないがな……。
深くは考えないようにしよう……。
「それよりもウルフちゃん、さっきの演技凄かったわね」
「いえ、そんな事は……」
演技ではないのだが、それとドクター…その手に持っているメスは?
まさか、この場で私を解体する気ではないだろうな……。
「ウルフちゃん、そこに横になってくれるかしら?」
「………………」
とにかく……逃げよう。
私は決意すると、ドクターが後ろを向いた隙に、風の如くその場を去った……。

8 ∞ ∞ ∞
トーナメントは順調に勝ち進んだ。
元々、前回戦った時もオロチは強かったが、特別にMチップを強化されているオロチは最
強だ。これなら、問題なく私の美貌は保たれるだろう。
そう……信じていた……。
バサッ……バサッ……。
私の目の前で、漆黒の左翼と右翼が、ゆっくりと大きく広げられる……。
漆黒の翼。それは鴉の持つ羽に似て、その妖艶さを際立たせる。
怪しい微笑み。怪しい視線。骨の軋む音が、この女の何よりのご馳走。
「バードウーマン? 何故お前が? 観客は何処だ?」
「クスクスッ、聞いていなかったの? 今日は特別試合なのよ?」
特別だと? 何の事だ? 今日は最終戦ではなかったのか?
最終戦に相応しい、この夜空が綺麗な闘技場。
それを、急に空から現れたかと思えば、特別試合だと?
「あら? ボスに聞いてなかった? 私と貴女で幹部の座を争うのよ?」
そんな馬鹿な……嘘だ! 私は力が使えないのだぞ! お前は半獣……。
嫌なイメージが私の脳裏を掠める"あの時期"まさか、あの言葉は……。
「ボスがね、貴女はもう用済みだって」
「戯言だ! 私を驚かそうとしても無駄だ!」
まさか……そんな馬鹿な……。
「くくくっ……」
「オロチ……?」
何故笑っている? 何故そんなに楽しそうに笑う……? 何故だオロチ?
嫌だ……こんな、こんなイメージなど要らない。必要ない……口を閉じろ、言うな!
「お前……私が処刑されるのを知っていたのか?」
「知っていた。全てな……くくくっ」
膝か砕けるのが分かる。感覚が全て麻痺して、私の両目から涙が溢れ出す。
信じていた。他の誰が私を裏切ろうとも、お前だけは……そう信じていたのに。
「お前を愛している」
「お前は死刑だウルフウーマン」
楽しそうに笑う、楽しそうに笑って私を見る。冷たい視線が痛い……痛いのだオロチ。
涙が私の頬を伝い、ゆっくりと膝の上に落ちる。落ちた瞬間、私は再び言う。
「お前を愛している」
「死に際に泣く女は汚い表情を見せる。お前は醜い」
「嫌……聞きたくない! 聞きたくない!」
綺麗だと、子供の頃から何度も私を誉めてくれた。そのお前が、そのお前が私を醜いと言
う。その口で私を醜いと、私が美貌を保つのは全て……全て……。
――お前の為なのに。
「さようならウルフウーマン」
バードウーマンの冷たい手が、私の両頬を包む込む。
そんな……最期はオロチの手で、それすらも望んではいけないと言うのか?
このまま、絶望に打ちひしがれたまま、私は死と共にこの美貌を失うと言うのか?
可愛い弟に裏切られたまま……死ぬのか?
ミシッ…ミシミシミシミシッ……。
「なっ、何ですって!」
「ふぅぅぅぅぅ!」
頭の中で何か音がした……その音が私の悲しみを全て奪い去る。
私をあの美貌溢れる体へと変化させる。涙を枯らし、冷たい表情を保たせる。
バサッ……。
私の黒髪に混じる銀髪は、何者にも汚す事は出来ない。
メキメキッ……。
敵の喉を切り裂くこの爪は、何があろうとも折れる事はない。
後悔するがいい、この体に流れるウルフの血が、最高にまで高まる日を選んだ事を……。
ザッ……。
やはり、高い場所はいい……。
驚いた顔で見上げられるこの瞬間、その顔を切り裂ける悦び……堪らない。
この月明光に映し出される私の影を見て、脅えるがいい。
全てを支配するその影が、お前達の墓場だ。
「この快感が堪らない」
私は二人の喉元に爪を向け、妖艶に微笑んで見せた……。

9 ∞ ∞ ∞
「ウルフウーマン……貴女、どうして元に戻れたの?」
悔しそうに私を見ているなバードウーマン? そんなに私の首を折りたかったのか?
ふふっ、早くその翼で私の元まで来るがいい……。
「うっ……」
バードウーマンが急に翼を広げるのを中断する。私の殺気を感じ取ったのだろう。
勘がいい女だ。来ればその翼ごと、体を引き裂いてやったものを……。
「何処を見ているウルフウーマン?」
「っ!?」
バキィ……。
急に横から声がした。同時に私の頬に痛みが走り、体が真横に吹っ飛ぶ。
オロチが、何時の間にか私の隣に移動していた。
「貴様オロチ……」
「くくくっ、まさか変身するとはな。随分と往生際の悪い事だ」
何とか体勢を立て直すが、目の前が揺れる。油断したとは言え、ダメージが残る。
だが、オロチのスピードに翻弄されはしない。本当なら、今の攻撃で私の頭は吹き飛んで
いた筈、体を捻る事で軽減出来た。集中すれば反応は出来る。
「貴様だけは許さんぞオロチ、今直ぐに殺す」
「やって見ろ、出来るならな……」
「舐めるな!」
私の体が風を切る、同時にオロチの喉元に爪を振るう。
サワッ……風が私の髪を靡かせる。
その瞬間が来た事を伝える為なのか、その感触は冷たく私の頬を撫でる。だが……。
「嘘だ…そんな」
「どうした? 引き裂くんだろう?」
爪がオロチの喉の前で止まった。それ以上進ませる事が出来ない……出来ない…。
そうだ、出来る筈などなかった……お前が裏切ったと知っても私は……。
「死ね」
「あっ…」
ガキィ……ン……。
砕けた……何者にも壊せない筈だった私の爪が、オロチの拳で砕かれた。
そして体中に走る痛み、オロチの拳が私の体中に食い込み、私を殺す。
ドゴォ……ン……。
「かはっ……」
腹にオロチの拳が深く減り込んで、私は腹を両手で押さえたまま座り込む。
地面に、オロチに砕かれた私の爪が散乱している。
まるで私の心を砕かれたようだ。体中を殴られた事より、この爪を見るのが一番痛い。
「綺麗な顔だな」
「え……?」
綺麗だと言ってくれるのか? 本心か? それとも、最期に掛ける情けか?
「その顔をグシャグシャに潰すのが楽しみだ……」
「オロチ……」
枯れた筈の涙が再び溢れた。その瞬間、私の耳に何も聞えなくなる。
まるで時が止まっているかのように、オロチの隣にバードウーマンが飛んで来た事も。
オロチがそれに振り向き、何かを話している事も。二人が驚いた顔をしている事も。
全てがスローモーションを見るように、私の瞳に映る。
そして……オロチが何か慌てるように、私の顔目掛けて拳を振るうのが見える……。
ゆっくりと、それは向かってくる。
何時も感じていたお前の手……あの暖かい指が、私の美貌を奪い去る……お願いだ。
――止めて…くれ。
「姉さぁぁぁん!」
「オ…ロチ?」
パアァァァァァァ……ン………。
声が聞こえた……時が動いた。
私の目の前を、オロチの大きな右手が…その指が覆った。
それに、目の前のオロチが放った拳がぶつかった。
額に強い痛みが走った。同時に、私は顔を真上に向けていた……。
そして、空中に二つの黒い影が飛び、月明かりがそれを照らし出す。
「イヤァァァァァァァァァ!」
あの、暖かいオロチの指が……私の額を割った……。

10 ∞ ∞ ∞
ザァァァ……ザァァァ……。
波の音が聞こえる。背中には柔らかい感触が私を包んでいる。
「此処は……?」
「大丈夫?」
柔らかいベットの上で、私は目が覚めた。
隣に居るのはドクターだ。私を心配そうに覗き込んでいる。
「包帯?」
「憶えてないの?」
体を起こし、私が頭の包帯を触ると、ドクターが不思議そうに言う。
暫く私は目線を泳がせる。
何だ? 何か大切な事を忘れている気がする。大切な……っ!
「オロチ! オロチは!」
「落ち着いてウルフ、あの子なら無事よ」
急にあの悪夢が脳裏に浮かび、私はドクターの両肩に手を置いて揺さぶっていた。
だが、ドクターの言葉を聞いて、心が落ち着いて行くのを感じる。
「ウルフ、落ち着いて聞いてね」
ドクターが私に静に話し掛ける。
"四龍"
ボスさえも知らない秘密の研究所で、その生命体を生み出す実験が行われている。
その最強の四人は、成長すれば私の地位を奪い去ると聞かされた。
そして……。
「ボスは四龍が完成した後、そのクローンを大量に作り出す気なの」
残念そうにドクターが私を見る。次の言葉で、私は絶望の穴に落とされる事になる。
――全ての半獣は始末される。
カチャ……。
全てを知った私は、隣の部屋にオロチが居ると聞かされ、そのドアを開けている。
「姉さん」
「ドクターから全て聞かされた」
白いベットの上で、体中に包帯を巻いて、オロチが寝ていた。
痛々しい姿、気を失った私を庇いながら、必死に此処に運んでくれたそうだ。
バードウーマンとクローン達の攻撃は、それは酷いものだったに違いない。
その姿を見れば、嫌でも伝わってくる。
「オロチ、ごめんね……私がもっと早く気が付けば良かった」
「姉さんは悪くないさ」
「っ! オロチッ……」
包帯を巻いたオロチの右手が、私の頬に触れる。
私の頬に触れるその指が、何時もなら心を潤してくれる。
「指が…お前の、お前の温かい指が!」
「泣かないでくれ姉さん……俺は後悔はしてない」
消えたお前の指を目にして、私はその手を胸に抱いて、大きな泣き声を上げた。
オロチが私に優しく微笑んでくれる。気にするなと言ってくれる。
だが、何だこの気持ちは? 私は悲しい筈だ、オロチが傷付いて悲しい筈なのに。
なのに、どうしてもこの言葉が、この言葉が私の頭から消えない。
"お前がもう少し早く来てくれたなら、この美貌が傷付かすに済んだのに"
悪魔の囁きだ、耳を貸すな(憎い)
嘘だ、そんな事を思うはずが無い(憎い)
止めろ、私の頭の中に、私の頭の中にはもうMチップは無いのだ!(憎い)
ドクターが取り外してくれたのだ! だから、こんな感情が生まれる筈は無い(憎い)
美貌…弟…美貌…弟…美貌…弟…美貌…弟…美貌! 美貌! 美貌! 美貌!
「止めてぇぇぇぇぇ!」
「姉さん?」
お前の為に、お前の為に私は美貌を保っていた筈なのに、何故こんなに未練がある?
右手に残る肉を裂く感触が消えない、あの高揚感が私をもどかしくさせる。
必要ないのだ! お前を失えば美貌など必要ない! 必要ない!
「姉さん」
オロチがそっと私の頭に右手を添える。そして、その体に私を抱き寄せる。
耳元で、お前が私に甘く囁く……。
言わないでくれ、私の中の本能が呼び覚まされてしまう、あの悪魔の心が甦る。
――姉さんは、何時も綺麗だね。

11 ∞ ∞ ∞
ピピピピピピピッ……。
「ウルフ、本当にいいのね?」
「はい……」
コンピューターを操作していたドクターが、悲しそうな顔で私を見る。
私は本部に戻った。そして、ボスに自分の思いを打ち明けた。
"邪魔な弟を殺す為に、私はもう一度半獣になりたい"
ボスはその言葉に大いに感銘を受けたらしく、私の思いを直に受け止めてくれた。
バードウーマンとドクター、七人のオロチだけが知る計画に加えてくれた。
そう……私は弟を裏切った。私の美貌を保つ為に。
私は最初から、こんな人間だったのだ。
弟など可愛くは無い、美貌を保つ理由が欲しかっただけ。
ピッ……。
ドクターがスイッチを入れ、私の脳に数多のデータが流れ込んで来る。
このインストールが終われば、私は忘れる。オロチと過ごした楽しい時間を全て……。
「クスクスッ……」
「っ……貴様!」
急に、ドクターが面白そう薄笑いを浮かべて、私の見ているのが分かる。
その表情、何処かで見た事がある。そうだ、この優しさの中に見せる冷たい視線。
これは……。
「貴様がバードウーマンだったのか!」
「遅い、遅過ぎる。気が付くのが遅過ぎる。クスクスッ……可愛い子ね」
面白そうに笑う、今まで私はずっとこの女に騙されていた。
全て知っていたのだ。半獣が全て始末される事も、その上で私とオロチを騙した。 
私達は四龍を生み出す上での、唯の捨て駒だと知っていたのだ。
「ボスのお気に入りは、一人で十分よ」
「何だと? 何を……っ」
体が動かない。
今、私の頭にインストールをしたのは何だ? 声も出せない、指一本動かせない。
「あら? 可哀想に、データをインストールするのに失敗? このままだと、死ぬわね。
でも、事故だから仕方ないわよね?」
貴様……貴様! 許さん! 許さん! よくも……。
チリッ……。
「随分と楽しそうだなドクター?」
「ひっ……」
バードウーマンが一瞬でその表情を強張らせる。そして、その音は何度も聞える。
後からバードウーマンの首を持つ血の通わない指が、何度も重なり合い、チリチリと音を
出す。
「お、オロチ? どうやって此処に?」
「喋るな、今にもお前の首をへし折りそうなんだ」
「許して……お、お願い」
恐ろしい殺気が部屋を支配する。
変身する事も忘れたのか、バードウーマンは涙を流しながら、苦しそうに息をしている。
"殺してやる"部屋を支配した殺気を貫く声が、バードウーマンに止めを刺した。
ドサッ……。
ガクンッとバードウーマンはその場に倒れ込み、ビクビクと体を震わせる。
「馬鹿な女だなお前は」
「な…に?」
殺気が消え、今度はオロチが哀れむように、バードウーマンを見下ろして言う。
「お前も殺される、四龍が完成すればな直にな」
「嘘よ! ボスは私を愛しているわ!」
殺気の支配が消えると、束縛が解放されたのか、バードウーマンが立ち上がり叫ぶ。
「あの男に愛を求めるのは無駄だ、これを見ろ……」
「何よこれ?」
オロチが手にしていたファイルを受け取り、バードウーマンは怖がりながら開く。
そして……。
「嫌……こんなの嫌! あんまりだわ! あんまりよ!」
ファイルを開いたまま、バードウーマンは大きな泣き声を上げる。
そのファイルから覗いた文字を横目に見て、私は顔を歪めた。
――第七クローン兵器バードウーマン。コードネーム"ドクター"

12 ∞ ∞ ∞
「私がクローンだなんて! 七番目だなんて! そんな…そんな……」
「脳が在るだけいい、俺のクローン共はそれすら与えられなかった」
ファイルを抱えたまま蹲るドクターにの耳元で、オロチが優しく囁く。
"お前は心を持つ人間だ"
「んっ、んんっ! んぁ! 止めてよ! 止め……」
急に、オロチがドクターにキスをした。
ドクターは何度も嫌がり、追いかけてくるオロチの顔から、首を振って逃げる。
「お前は悲しむ事が出来る。お前は人間だドクター」
「んっ……ううっ、オロチ、オロチ……」
ドクターが急に大人しくなる。オロチを愛しい顔で見る。その唇を委ねる。
悲しみしか映してなかった瞳が、少しだけ嬉しさに和らいでいる。
「ドクター、どうして欲しい?」
「愛して欲しい」
そして、ドクターはオロチの顔を両手で包む込むと、そのまま誘うように、体を後の診察
台に倒れこませ、オロチの体がそれに付いて行く。
クチュクチュクチュ。
「きゃぁ! ああっ、凄い…指が、指がぁ!」
オロチの左手がスカートの中を掻き乱し、ドクターが首を振って悶える。
両足を重ねた状態で、オロチに右手で縛られ、その足先は天井に向いている。
締りが良くなったドクターの綺麗なそこが、オロチの指に押し広げられているのが見える。
「ドクター、そろそろ行くぞ?」
「はい…」
オロチがゆっくり、その重ねられた足に、その大きな先端を向ける。
それは、甘い蜜を垂れ流すドクターの入り口に狙いを定め――。
ズブッ、ズブブブブブブッ!
「きゃぁぁぁ! 入ってくるぅ! 私の中に入って来るぅぅぅ!」
一気に中に押し込まれて行く。
パンパンパンパンパンパンパンッ……。
診察台からお尻を突き出したドクターが、両足をオロチの胸に抱えられ、激しく突かれる。
締りが良くなったドクターのそこは、オロチが行き来する度に、ボタボタと地面に蜜を撒
き散らす。
「きゃぁぁぁ! 擦れる! 私の中が火傷しちゃうぅぅぅ! 熱い! 熱いぃぃ!」
ドクターが体を揺さぶられる度に、その体はうねりたそうにするが、オロチが完全にその
足を両腕で縛っている為、それが敵わない。
「ああっ! あああっ! きゃぁぁ! イクッ! もうイク! んぁぁああああ!」
ガタガタガタガタッ……。
診察台が何度も激しく音を出し、ドクターが乱れるのも激しくなる。
ドクターの長い足がオロチの首に絡みつき、首の後ろで何度もバタバタと揺れる。
「感じ過ぎちゃう! 変になる! 変に、あ、む、胸ぇぇぇ!」
オロチが体を前に倒し、両腕でドクターの足を縛ったまま、その胸を容赦なく揉む。
体を丸め込まれ、身動きが取れないまま、ドクターの足がビクビク痙攣する。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッ……。
「もう許して! もう許して! ごめんなさい! ごめんなさいぃぃぃ! あぁぁぁ!」
気が遠くなるようなオロチの責めに、ドクターが哀願口調に代わり、何度も首を振る。
だが、オロチはその言葉を無視し、両手に握った胸を、何度も胡桃を捻るように揉み、
ドクターの胸がグニグニといやらしく変化する。
ドックン……。
「あ、もうイク、イクイクイクイク! イッちゃうぅぅぅぅぅっっっ!」
ビクビクと体を痙攣させると、ドクターは頭を最大まで上に向け、絶頂を迎えた。
ドクドクと流れ込んだオロチの白い液が、ドクターから流れ出し、診察台を伝ってポタポ
タと地面に落ちる音が、静かな部屋に木霊する。
「ううっ、ボス……ボス……」
ドクターは診察台から落ち、座り込んで下を向き、首を振って呟く。
「ドクター」
オロチがドクターの肩に白衣を掛け、体を包み込むように後から抱きしめる
「オロチ、オロチ……うあぁぁぁぁ!」
ドクターはオロチの体に抱き付くと、縋るようにその胸で大きく泣いた……。

13 ∞ ∞ ∞
「オロチ……私」
「何も言うなドクター、分かっている」
長い行為が終わり、オロチがドクターの体を優しく診察台の上に寝かせる。
「姉さん」
そして、オロチが私に話し掛けて来る。
「お別れの前に、姉さんに話しておく事があるんだ」
お別れ……? そうか、殺すと言う事だな……。
当然か、お前を殺そうとしたのだ。殺されても文句は言うまい。
唯……顔だけは止めてくれないか? 出来れば、このまま静に脳を破壊してくれ。
それなら、この美貌を保ったまま死ねる……。
「俺達には、もう一人妹がいるんだ」
何だと……? こんな時に何の冗談だ? お前意外に、私に兄妹など……。
「キャットレディは俺達の妹だ」
「う、そだ……」
驚きのあまり、私は声を出した。
そんな馬鹿な事があるものか、奴は、あの小娘は! あの小娘は!
「そうだ姉さん。俺達はボスの血を引いている」
ボスの娘なのだぞ? オロチ、それは冗談なのだろう?
私達に親はいない、子供の頃から施設で育った。
その為に世間の風当は冷たく、社会にから疎外された。奪う事だけが全てになった!
人を殺しても悲しむ親はいない! 心が痛む事も無い! だから悪に染まれた!
だが、お前は急に何を言い出す? 奴が私達の親だと言うのか? 子供を兵器にするよう
な奴が親だと言うのか! それを始末すると言う男が、父親だと言うのか!
「悲しそうな目で、俺を見ないでくれ姉さん」
オロチ……? 何をする気だ? その決意に満ち溢れた目は何だ?
まさかお前……。
「俺が全ての女達を奴から救い出す。あの腐りきった男に、姉さんを殺させて堪るか」
だから、姉さんはあの子を守ってやってくれ。俺の事は忘れて、思うままに生きてくれ。
だって、姉さんは俺を殺してまで、綺麗で在り続けたいんだろう?
俺の命を何時か奪いに来てくれ……その時必ず姉さんを助けるから……。
オロチの綺麗な指先が、コンピューターのボタンに向けられる。
待って……お願い待って……忘れるなんて、耐えられない。
もう殺そうと思わない、だから押さないで。この美貌は、永遠にその笑顔の隣で……。
「さようなら……俺の愛する姉さん」
行かないで……忘れたくない。
「俺を戦士にしてくれ」
行かないで……もう失いたくない。
「お前は確か元ボクシングの世界王者だったな?」
行かないで……もう耐えられない。
「ああ」
行かないで……私の側に…。
「その瞳は…まさか…青龍! こいつをあの場所に連れて行け!」
行かないで……その手で私に触れて。
「なっ、まさかそいつが五人目だと言うんですか!? そんな事が…」
行かないで……お願いだから。
「早くしないか!」
行かないで……置いて行かないで……。
「は、はいっ! 来るんだ!」
ウィィィィィン。
嫌……ドアが閉まる。オロチが行ってしまう……忘れたくない……。
行かないで……私の愛する 。
――リュウ。

14 ∞ ∞ ∞
ゴボゴボッ……ザァァァァァ……。
「んっ……ふぅ……」
体を包んでいた冷たい感触が離れる。私の口から酸素マスクが外される。
やはり外の空気は美味しい、あの中では感じる事は不可能だな。
妙な夢を見ていた気もするが…忘れたな。まあ…何時もの事だ。
「今日は、何人のプレイヤーを戦闘不能にしたんだ?」
天井を見つめていた私は、その声に下を向く。
綺麗な顔をした男の姿が見える。手にはバスタオルを持っている。
「ふふっ、お前は何時もそこに居るな」
「お前、居ない時は凄く怒るだろ?」
そうだな、そこにお前が居ると私は安心する。
あの中で殺戮を繰り返す私が、この現実に戻って来てお前を見る。
その瞬間、私は何時も自然と微笑んでいる。
「お前の手は暖かいな」
「どうしたんだ急に?」
後からバスタオルを肩に掛けられると、私は何時も不意に、その右手を取る。
懐かしい匂いがするのだ。何時か感じた事がある懐かしい匂い、暖かさが……。
なあ、その指で私の頬に触れてくれないか?
何時までも何時までも、私の側に居てくれ……何処にも行かないで。
そして私だけを見て、この美貌は……
――永遠にリュウの為に。
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