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官能の暗殺者3(後半)

作者:5代目スレ920氏
備考1:女暗殺者×政治家
備考2:


 全裸のガイヤーの上に乗り、私はするするとショーツを脱ぎ払う。
 薄く面積も小さい布地から片足を抜き、残りの脚に引っ掛けたまま男の身体に腰を下ろ
した。今や私が身につけているのはガーターベルトに吊るされたストッキングだけだが、
これから行うことに外す必要はない……むしろ男の興奮を刺激するだろう。
 挑発的な笑みを浮かべながら腰を浮かせ、硬く勃起した男性器にまたがる。静かにあて
がいながら自分の膣口を丁寧に調整し、「男」の先端を下の口にくわえ――そのままゆっ
くりと腰を前後に振る。
 騎乗位の姿勢だ。上から見下ろし、ぺろりと舌舐めずりをしながら挑発する。
「ふふ……すぐには入れさせてあげませんわ」
 余裕の笑みを浮かべる。前後の動きに曲線を加え、腰には楕円を描かせる。
 私を見上げるガイヤーの目が期待に満ちてきた。私を味わえているのは亀頭だけ。いや
らしく蠢動するこの腰が、いつになったら降りてくるのか楽しみなのだろう。
 こうして焦らせば、男は私の中への興味と昂りを抑えられなくなる。「入れたい、早く
入れたい」と願うようになり、挿入と女の膣を何よりも高みに置いてしまうのだ。
 ガイヤーの顔は予想通りだった。早く挿入させて欲しいとその目で訴えてくる。恵まれ
た容姿を持つ男もすっかり形無しだ。私に鼻の下を伸ばす男と何も変わらない。
 彼はいよいよ下から腰を使い、肉棒で私をノックしてきた。私はこれを「もう我慢でき
ない」という意志表示だと解釈している。
 これ以上焦らすと力任せに体位を変えられ、挿入させられてしまう恐れがあるというこ
とでもある。それではつまらない。このアクションが来たら頃合いだろう。
「そんなに焦っちゃ駄目ですよ……今から入れさせてあげますわ」



 私は挑発と余裕の微笑は崩さず、男を見透かしたように応えた。図星を突かれれば多少
なりとも男は気恥ずかしさを感じるもので、ガイヤーもわずかに視線を反らした。
「ガイヤー様、私がどうして一番人気の娼婦なのか…今から教えてあげる……」
 鼻にかかったかすれ声で囁きながら、私は挿入を開始した。
 くねくねと腰を振るのを止め、下の口にくわえたペニスへゆっくり、ゆっくりと臀部を
降下させていく。少しずつ奥へと呑み込み、私の中を満たしていく感覚が心地いい。
「ん、ん……」
 自然と小さな喘ぎ声も漏れる。未だ昇り詰めた余韻が残る身体がこうして反応してしま
うのだ。快感はエクスタシーには程遠いけれど、気持ちいいのは事実である。
 けれど――気持ち良くなっているのは私だけではない。むしろ男の方が衝撃だろう。
「こ…れは……!」
 ガイヤーが私の下で呻いた。
 既に男は硬直している。全身の筋肉を張り詰めさせ、快感を堪えているのだ。
 こうして身体を硬くした男は――もう限界だということを、私はよく知っている。
 ゆっくりと腰を落とす速度は変えず、1分以上かけて焦らしながら、ペニスを根元まで
入れたその時だった。
「ラセリア、も、もうっ……!」
 瞬間、私の中で肉棒が震えた。
 激しい痙攣が2回、3回、4回……膣内での感触だけで男が何度出したかわかる。それ
くらい勢いがある白濁の放出だった。
 激しい射精を終え、硬直が一気に解けて男は脱力する。肉体を弛緩させて快感の余韻に
浸るところで、私は男を翻弄した楽しみに震えた。
「うふふふふ……入れただけで出してしまうなんて、まるで童貞みたいね?」
 一度目の絶頂を迎え、荒い息を吐くガイヤーに嘲りを浴びせた。屈辱的な言葉だろう、
ガイヤーは快感に喘ぎながらも顔を歪めた。
 私に入れただけで果ててしまうのは恥ではないよ、などと思っているのだが。私と交わ
るのが初めての男は、いかに百戦錬磨の経験があろうと、このガイヤーと同じように、入
れただけで果てるのだから。
 今まで一度も例外はないし、これからもないだろう。それくらいの自信はある。
「すぐにイッてしまって申し訳ない…だが、これは…凄すぎる……!」
 入れたままのガイヤーは驚きを隠そうともしない。今もなお、断続的に続く快感に耐え
ているのだ。
「おわかりいただけました? 私がナンバーワン娼婦の理由……」
「あ、ああ…こんなのは初めてだ。噂には聞いていたが、想像以上だ……こんな名器、今
まで、一度もっ……!」
 そう、名器なのだ。男にしかわからない感覚だが、私はもう自分の膣がそうだと信じて
疑わない。
「私の中は…どんな感触ですか?」


 数は圧倒的に少ないが、名器の女性など他にもいる。それこそ娼婦でなくても、市井の
女にもいるだろう。ミミズ千匹、巾着、俵締め、蛸壺……。
「信じられない……何か所も締まったり緩んだり、襞が包み込んでは吸いついてきて……
中がくねくね動いて、まるでっ、奥に引きずり込むみたいにっ……腰も振ってないのに、
どうして中がこんなに動くんだっ……!」
 けれども私の膣は、そんな巷間伝えられるような通り一遍の名器とはわけが違う。男た
ちの感想はどれを聞いても似たようなものだが、それらを総合すると、どうやら私の中は
一度として同じ感触がなく、常に蠢いて違う快感をもたらすらしい。
 そして射精する瞬間、私の中はくねり、くねりとまるで搾り取るように激しい蠕動を繰
り返す。その感触と射精は並の絶頂などとは比較にならぬほど凄まじい快感で、誰もが忘
我の淵に追い落とされ、頭の中が真っ白になる――という。
 男にとって余りに都合が良すぎる自分が怖くなるくらいだ。
「ふふ…いい顔ね、ガイヤー様。萎えるなんて許しませんよ…?」
 一度目の射精が終わったばかりだが、ガイヤーの男根は再び硬く勃起していた。
「おおお……」
 彼は声にならない声を出してしまう。私はただ入れたまま座っているだけだ。特に何も
していないが、男を貪欲に求める私の膣が強制的に男を奮い立たせてしまうのだ。
 これだけでも驚異的なことなのだが、そうかと思った頃には、もう既に男は次の射精に
向けての危険水域に突入している。柔らかな媚肉が肉棒という獲物に貪りつき、痕跡すら
残さず食い漁ろうとしているのだ。
「ラセ…リア……これでは、また出してしまう…」
 再びガイヤーが我慢しようと身体を踏ん張り始めた。
 どうせ耐えられないくせに無茶するのね、などと思いつつ、私は優しい言葉をかける。
「我慢できなくなったら、いつ出してもいいのよ……」
 言いながら私は腰で円を描いた。その瞬間、ガイヤーはまたしても私の中で肉棒を痙攣
させ、どくどくと精液を射ち放つ――二度目の絶頂。
 快感に喘いでいるのか、それとも苦しいのか、その表情からはもう判別できない。
 ただ一つ言えるのは、そんな顔は私のSっ気に火をつけてしまうということだけだ。
「一度しかグラインドしてないのにイッちゃうなんて、早いのね……?」
 私に言わせれば、男なんてみんな早漏だけどね。
 短時間に二度も出してしまい、私の言葉攻めにも煽られ、ガイヤーの「男のプライド」
はもう粉々だ。それでも私は容赦しない。
「まだまだデキるでしょう……?」


 繰り返すが、私はペニスを挿入したまま座っているだけだ。けれどもガイヤーは得体の
知れない私の名器に翻弄され、快感に喘ぎ、射精し続けるばかりだった。
 私が座ったまま、男が勃起と射精だけを繰り返す奇妙なセックスはしばらく続いた。
 ガイヤーは激しい吐息で悶え、快感に打ち震えては射精し、五度目の射精の頃から子供
のように涙を浮かべ始めた。六度目のときにはもう呂律が回らず、七度目の時には許しを
乞い始めた。凛々しい政治家の姿はもう、そこにはない。
 男の悶える姿を楽しみ、私のサディズムも満たされていく。男をイカせることで私自身
も快楽を味わい、貪り、肉体のオルガスムスとは違う悦楽が脳内から湧き出ていた。
 私は肉棒を中から抜き、また亀頭だけをくわえた状態に戻した。ガイヤーはようやく解
放されたことに安堵したのか、快感の途切れたことに喜悦の表情を浮かべる――もう、普
通は逆でしょうに。
 けれども私は凄艶な表情を崩さない。
「何を喜んでいるの? ガイヤー様」
 言い放った私にビクッと男は震えた。無理もない、どう考えたって許しを得られる方向
性の発言ではない。声も例えようもなく冷酷だ。
「私は座っていただけなのに、七度もイッちゃうなんてダメな男ね……こんなことじゃ、
私が本気を出したらどうなると思う?」
 私は上から男を見下しながら酷薄な微笑を見せた。ガイヤーの目が一瞬だけ見開かれ、
直後から震え始めた。ガチガチと歯が鳴り、怯えがありありとうかがえる。
 まさにこの表情が私のSっ気を満たすのだが――男は恐れざるを得まい。
「覚悟してね……究極の快楽で天国に連れて行ってあげるわ」
 私はためらいなく腰を落とし、七度も出したのに未だ萎えぬ――というより私の膣が萎
えることなど許さない――男根を挿入した。途端に喘ぎ始めるガイヤーと掌を合わせて自
由を奪い、数字のゼロを描くように、腰のくびれから下だけを高速でグラインドさせつつ、
膣を強く締め上げた。
「ああああああっっ!!!」
 今までにない声を上げて、ガイヤーの身体が苦悶と快楽に跳ねた。絶叫、そう言っても
いいような声は、どこかしら女が昇り詰めるときの反応にも似ていた。股間の反応はそれ
でも正直だ。衰えを知らぬ勢いでガイヤーはビクンビクンと射精してしまう。
「ほらほら、どう? 今までよりずっと気持ちいいでしょう?」
 完全に見下し切った口調で、あっさりと精を放つガイヤーを嘲笑う。
 この尋常ならざる名器を私はコントロールできるのだ。力の入れ具合で膣内がどう反応
するのか、幾多の経験の中でもう覚えてしまっている。
 締めつける、ひくつかせる、絡みつかせる……締め具合を変える度に男の反応が変わり、
彼らのエクスタシーすらも調節してしまえる。
「あぐっ、うあっ、がふぁ……もう駄目、もう駄目、やめてくれっ……!」
 まるで別の生き物のように蠢動する私の腰は、そんな制止の声を聞いたところで止まり
やしない。もう私のスイッチはS系の痴女から暗殺者へと切り替わっているのだ。
 手を振り解こうにも、ガイヤーはもう力が入らないようだ。私と繋がれた手には生気が
もう感じられない。残った体力すべてを下半身に向けるしかなくなっているようだ。
 ガイヤーは辛うじて目を開けた――が、彼の視界に飛び込んでくるのは、私の腰と同様、
まるで別の生き物のように揺れる乳房の膨らみだ。グラインドとの連動でプルンプルンと
不規則に震えるバストは視覚からも男の欲望を刺激し、更に興奮させてしまう。
「うあああああああっ……!」
 悶える声すらも裏返る。それでも結合部の感触から伝わる射精と痙攣の勢いは衰えるこ
とを知らない。ガイヤーは確実に体力を奪われているのに、ペニスだけは元気なのだ。
「あっははははっ! いい顔よ、可愛いわね! まだまだこれからよ!」
 私は酷薄で残酷で凄艶な高笑いを続けた。私の下で嬲られる男は白い精液を肉壺に注ぎ
続け、今ではもう射精する人形に過ぎなくなっている。
「当分は終わらないからね……言ったでしょう? 果て尽きるまで愛し合うってね」
 もう何度目の射精かなんて覚えていない。男はもう答えず、ただ白い液体を垂らすだけ
の肉塊となりつつあった。
 勿論、男が青ざめることなどお構いなし。私は巧みな腰使いで男に格の違いを見せつけ、
肉体と精神を蜜壺の快楽で果てさせ、その悶える姿を楽しませてもらうのだ……。


「ああぁぁあああぁああんっ……!」
 二度目の絶頂だった。
 上に乗ったまま背を反らし、顔を仰け反らせて身体を硬直させる。
 喘ぎ声の主は私である。オルガスムスに達し、ついに私が果てたのだ。
「はあっ、はあっ……ああん…気持ち、いい……」
 どうっと私はそのままベッドに倒れ込んだ。エクスタシー直後はとにかく呼吸が乱れる。
海に浮かんでいるときのような快感に浸りつつ、私は身体の火照りが冷めるのを待った。
 数分ほどして余韻の根が抜け、いつもの冷静な思考が戻ってくる。
 寝転がった私の視界には、キングダムホテルのプレジデンシャル・スイートルーム、そ
の天井が飛び込んできた。
 むくりと身体を起こし、室内のクローゼットを開け、バスタオルを手に取る。
 今の私が身につけているのはガーターベルトとストッキングだけだ。その半裸の上半身
に取り出したバスタオルを巻きつける。
 私は胸が大きいから、上は谷間がはみ出るが、まあこのくらいはやむを得ない。
 男が見たら扇情極まりない恰好のまま、私は部屋の端に歩み寄り、壁一面の窓からネー
ディア市を見渡した。
 東の空が微かに白み始めているが、まだまだ夜の闇は深い。ガイヤーと寝る前に眺めた
街並みは相変わらず夜景が美しく、思わず見惚れてしまうほどだ。
 変わらないのはアシミラ地区の深い闇のみだった。

 そして、そんな闇の中に私はいる。
 私の二度目のオルガスムスは、正直、セックスというより自慰に近いものだった。
 騎乗位で挿入角度を調整し、肉棒が私のGスポットをこする状態に合わせながら、自分
の味わう快楽に調子に合わせて腰を振った。自分で快感が分かるから、たちまちのうちに
私は昇り詰めることができる。
 男の意志はそこにはなく、故にこそ、これは男の身体を使った自慰でしかない。
 窓際からベッドへ戻り、力なく横たわったガイヤーを一瞥する。
 腕の脈をとり、閉じた瞼を開け、胸元に耳を当てる――いずれも生気ある反応はない。
今でこそ身体に温もりが残っているが、すぐに冷たくなるだろう。
 もう彼に若々しい肉体は残っていない。まるで体の水分が失われたように、肌の張りも
艶も消えてしまい、ガイヤーはげっそりと痩せこけていた。
 唯一男らしいのは、延々と精子を出し続けた肉棒付近くらいなものだ。下半身に水分が
吸い取られたか、あるいは何らかの理由で水分を放ち続けて死んだように見えるかもしれ
ない。
 私の膣壁が織り成し、男を狂わせる悦楽は、ひょっとしたら「女がイク」時と同じ快感
を男に与えているのではないか――と思うこともある。
 男の味わう快感がどんなものかなんて、女の私には永遠にわからない。
 だが「男が女の快感を与えられたらショックで死ぬ」とか「女は男よりはるかに強い快
感を味わっている」なんて俗説は、こうして私が男を快感漬けにして殺してきたことを考
えると、真実だと思う。
 話を聞こうにも、ガイヤーはもう答えることすらできない身体になっている。
「暗殺完了……ね」
 私は変わり果てた男を上から見下し、にやりと笑うのだった。


 さて、今日からは忙しくなる。
 まずはこの暗殺で私に足がつかぬように工作し、その上でガイヤーの計画に忍び込んだ
利権漁りのため、様々な方面にあの政策を売り込む必要があるからだ。
 アシミラ開発計画で私が練った構想は以下のようなものだ。
 まずは差別解消を目的とする団体を設立させる。その組織は目的達成の手段として差別
者の弾劾を運動の生命線と位置づける。
 その「弾劾」は長時間の監禁・恫喝を利用した暴力的で執拗な攻撃とする。被差別者に
恐怖を植え付け、差別解消の教育や反省などよりも、団体に屈伏させることを真の目的と
するのだ。
 このような行為と圧力を背景として、ガイヤーの提唱した起業の推進に乗じ、差別・格
差解消事業やアシミラ優先雇用の採用枠、課税優遇の手続きをその差別解消団体に独占さ
せる。勿論それ以外にも果てのない要求を行政に突きつけるのだ。
 例えば――この団体を通しての税務申告は事実上フリーパスとすることを要求し、合法
的な脱税をアシミラの企業群にのみ認めさせる密約を結ぶ、などだ。
 差別解消団体に事業を優先させ、しかもこうして減税・無税を許せば、そこに所属する
企業は際限なく潤っていく。一般の企業などより儲かるようになるだろう。
 そこでそれらの企業から差別解消団体に利益の一部を「上納」させる。団体自体も肥え
太り、差別闘争に名を借りた利権漁りはさらに過熱していく。
 ガイヤーは生活環境の向上が達成された時点でこれらの特別措置を止めるつもりでいる
かもしれないが、その頃にはもう誰にも言い出せなくしてしまえばいい。
 この差別解消団体を政・官・財・警察・暴力団・報道機関と癒着させるのだ。
 合法的な減税・脱税・優遇が認められるとなれば、特に工作などしなくても勝手に暴力
団のほうから寄ってくる。彼らが寄ってくれば情報欲しさに警察も接触してくるだろう。
そこで癒着構造の中に引きずり込む。
 政界には票を、官界・財界にはカネを、マフィアには企業舎弟を差別解消団体に所属さ
せ、優先的な差別改善事業の獲得や課税の優遇措置を提供するのだ。マフィアの関係者を
団体幹部に据えるのもいい。弾劾闘争は更に暴力的な性格を帯び、行政に対する要求を通
す効率も上がるだろう。
 多少厄介なのは警察だが、彼らも暴力組織の情報は欲しがっている。ならば闇社会の情
報や黒いカネを小出しにして流し、その代わりに警察の情報を要求する。癒着構造を徐々
に強めるのだ。
 癒着した警察幹部は引退後、アシミラの企業(舎弟)の顧問などに天下りさせてやれば
いい。彼らから警察の情報を手に入れ、利権を巡る不正の捜査に大きな影響を与えさせ、
司直の手を水際で食い止めさせることも可能だろう。
 警察とてマフィアや団体との癒着で脛に傷を持つ身体になるのだ。返り血を浴びてまで
捜査する度胸などあるはずもない。官憲とはそういう組織なのである。


 余りの優遇ぶりに反対する者も現れるだろう。だが、そのような輩は「差別者」と断定
し、強硬な圧力を加えて弾劾し、屈服させてしまえばいい。
「お前たちに差別されてきた者の苦しみが分かるか!」と叫んでしまえば、誰もが黙らざ
るを得ない。もしこの優遇策の見直しを主張しようものなら、逆にこちらの要求を呑むま
で弾劾し続けるのだ。
 特に小うるさいマスコミには徹底した闘争方針が必要となる。そこではマフィアが大い
に役立つだろう。暴力闘争のプロに「人権の盾」を持たせ、反論など許さずに屈服させて
しまうのだ。
 あるいは彼らの持つジャーナリズムの良心・使命を利用して「報道すれば差別を助長し
かねない」という抵抗感で押し潰すほうが得策だろうか。
 さもなくば警察と同様、地下社会の様々な情報を流し、記者どもと癒着することで黙ら
せる手もある。肥大化したアシミラの企業群を各報道機関の広告主に据えたりすれば……
面白い事態になってくる。
 こうして政・官・財・暴・警・報を結ぶ「鉄の六角形」が生まれる。その中心で鍵とな
るのは差別解消団体――我ながらこの「人権シンジケート」構想の幅広さは先が読めない
くらいだ。
 こうなってしまうと誰にも止められない。差別や格差がなくなっても、事業自体が既得
権益と化し、メスを入れることもタブー視されるようになるのだ。
 私はそこで暗躍し、投入される公金を思いのままに貪らせてもらおう。
 アシミラ開発事業も名目は都市開発になろう。ならば私に心酔する男たちにペーパーカ
ンパニーの建設会社を設立させ、事業を受注しては下請けに丸投げして利鞘を稼いだり、
差別解消団体の威光を利用して談合を仕切ったり、あるいは仲介料や手数料などと称して
莫大な金をとることもできるだろう。
 だが、こんな利権漁りは一例に過ぎない。本当に価値があるのは私の人脈だろう。
 この政・官・財・暴・警・報の六角形だが、私は高級娼婦として各界の要人と繋がりが
ある。政・官・財は勿論、警察幹部も組織のトップに近い人物が幾人も私を買っている。
更に私は暗殺者という顔も持つため、マフィアとも深い関わりがある。
 つまり、六角形の全方向にコネクションを持つ数少ない人物が私だということだ。これ
では黙っていても私に利権が転がり込んでくる。頬が緩むのも当然だろう。
 それでいて私の命を狙う者などいるはずもない。これら六角形が私のバックについてい
るのだ。スズメバチの巣を叩き壊せばどうなるか、考えるまでもなかろう。
「ふふふ……あはははは……」
 考えれば考えるほど含み笑いを抑えられない。
 政策を売り込む相手を納得させるために、男にはできない「肉弾戦」を挑むこともある
だろうか。
 だったら尚更、身体は綺麗にしておかなければならない――などと思案しながら、私は
バスルームへと向かい、シャワーで身を清めるのだった。



                                              THE END
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